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桂宮本万葉集 2009年3月16日更新

桂宮本万葉集
【和:かつらのみやぼんまんようしゅう
【中:Gui gong ben wan ye ji
彫刻・書画|>桂宮本万葉集

源兼行
一巻
彩箋墨書
縦二七・〇 全長七九六・○
平安時代・十一世紀
御物
「桂宮本万葉集」は、「元暦校本」「藍紙本」「金沢本」「天治本」とならび、平安時代の書写になる「五大万葉集」の一つで、そのなかでも最も時代の遡る作品である。萌黄・浅葱・淡紫・淡紅・淡黄。朽葉・白などの色とりどりの染紙に、金銀泥で花鳥・草木などの下絵を施した華麗な料紙に、万葉仮名(真仮名)の歌と、仮名の歌を並べて書写している。筆者は紀貫之(八六八頃―九四五頃)と伝えられているが、「高野切」(第二種)、「雲紙本和漢朗詠集」「関戸本和漢朗詠集」などと同筆であり、現在では源兼行(生歿年未詳)とする説が一般的である。
この「桂宮本万葉集」は、巻四の残巻で、本紙紙背の紙継ぎ部分に記された花押から、鎌倉時代には伏見天皇(一二六五―一三一七)の遺愛の品であったことが知られる。安土桃山時代には芳春院(加賀藩主前田利家夫人、 一五四七―一六一七)が所持し、関白豊臣秀次の所望で巻頭および巻末奥書が切り取られて献上された。本巻は利家の子利常の四女富子が桂宮智忠親王に輿入れした際に桂宮家に贈られ、以後、同宮家が明治十四年(一八八一)に断絶するまで大切に伝えられてきた。「桂宮本」の名は、この様宮家に因んで命名された。なお同巻の断簡「栂尾切」は、巷聞に出て諸家に分蔵されているもので、あわせて巻四の全体の三分の二ほどが現存している。 出所:書の至宝-日本と中国2006
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