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三十六歌仙帖 2009年3月22日更新
【和:さんじゅうろっかせんじょう】 |
【中:San shi liu ge xian tie】 |
彫刻・書画|>三十六歌仙帖 |
松花堂昭乗筆
一帖
彩箋墨書
縦二六・○ 横二二・八
江戸時代・十七世紀
東京国立博物館
平安時代中期の歌人である藤原公任(九六六-一〇四一)が編した「三十六人撰」にもとづく柿本人麻呂・紀貫之などの代表的歌人を三十六歌仙という。本帖は、三十六歌仙の歌を、それぞれの歌の意味に因んだ装飾を施した色紙に、散らし書きしている。色紙にみられる木版刷りの型文様をはじめ、金銀の切箔・砂子撒き、そして金銀泥による下絵などの装飾は、平安時代の料紙装飾の技法に倣いながらも、江戸時代の美意識を反映して制作されたものであろう。
松花堂昭乗(一五八四-一六三九)は、青蓮院門跡の尊朝法親王について御家流を学び、さらに弘法大師の書風を渇望し、整斉で温雅な書風で知られる。晩年になるにつれて、たくさんの作品を残しているが、両家でもあった昭乗の運筆は巧妙で、よく洗練されている。昭乗は後世、近衛信尹(一五六五―一六一四)・本阿弥光悦(一九五八~一六三七)とともに「寛永の三筆」の一人として称される。その書風には、近衛信尹のスピード感がある豪放な味わいや、本阿弥光悦の装飾的で変化にとんだ書風に比べると、やや個性に欠けるところがある。しかし、江戸時代には、瀟洒淡白を好んだ江戸の人々の間で流行し、その書跡は手本として刊行され、松花堂流の名で多くの人に恭われている。出所:書の至宝-日本と中国2006
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