国立工芸館石川移転開館1周年記念展「《十二の鷹》と明治の工芸」国立工芸館
名称:国立工芸館石川移転開館1周年記念展「《十二の鷹》と明治の工芸」国立工芸館
会期:2021年10月9日(土)-2021年12月12日(日)
開館時間:9:30 – 17:30 ※入館時間は閉館30分前まで
休館日:月曜日(10月25日、11月1日は開館)
チケット:新型コロナウイルス感染症予防対策のため、事前予約制(日時指定券)を導入します。
観覧料:一般 500円(400円)
大学生 300円(150円)
※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方と付添者(1名)は無料。
※( )内は割引料金
割引対象:石川県立美術館・金沢21世紀美術館・石川県立歴史博物館・石川県 立伝統産業工芸館(いしかわ生活工芸ミュージアム)・金沢市立中村記念美術 館・金沢ふるさと偉人館の主催展覧会入場券半券、ならびにSAMURAIパスポート (一般のみ)を窓口で提示した方。
※いずれも消費税込。
主催:東京国立近代美術館
住所:〒920-0963石川県金沢市出羽町3-2
TEL:050-5541-8600
URL:国立工芸館
明治ほど、その工芸から「熱量」が伝わってくる時代はありません。器の表面から飛び出すほどの彫刻的な細工がほどこされた陶器や金属器、まるで生きているかのようにリアルな表情を見せる動物の置物など、私たちの視線をとらえてはなしません。
そこには江戸から明治へと社会構造が大きく変化した時代にあって、どうにか活路を見出そうとする工芸家たちの必死さがあらわれているようです。
ひるがえって現在、急速に進むデジタル化のなかで、私たちの生活も大きな変化の只中にあります。インターネットによる情報化や新たなデジタル機器は、モノづくりの領野にも確実に影響を及ぼしています。
社会構造の変化に、工芸家たちはどのように立ち向かってきたのでしょうか。本展では、明治から現代までの工芸作品を通して、変化し続ける工芸家たちの姿を見つめます。
◆鈴木長吉《十二の鷹》を始めとした明治以降の工芸作品約100点を展示
明治の名工で帝室技芸員に任命された鈴木長吉(1848‐1919)が制作の指揮をとり完成させた
大作《十二の鷹》。当時の最高の技に日本の伝統を加味した最新の「美術」として世界に提示しよ
うと、明治26(1893)年にシカゴ万博で発表されました。近年復元された飾り布とともに、発表
当時の姿で展示されるのは北陸地域では初めての機会です。
◆社会の変化に立ち向かう
工芸家たちのヒューマン・ストーリー
社会全体が大きな変化の波に揺れ動いた明治時代、工芸家たちはどのように時代に立ち向かったのでしょうか?コロナ禍で加速する社会のデジタル化、新しい生活様式や働き方への対応など、変化に翻弄される今だからこそ共感できる、明治の超絶技巧にひそむ工芸家のヒューマン・ストーリーを、作品を通してご覧ください!
◆工芸館の歴史を振り返る特設コーナー
当館が東京国立近代美術館工芸館として誕生したのは昭和52(1977)年。皇居に程近い北の丸公園内にある明治生まれの建物、旧近衛師団司令部庁舎からその活動をスタートさせました。それから43年後の2020年、拠点を石川県金沢市に移し、この秋には移転開館1周年を迎えます。本展示では、様々な資料を交えて開館から移転までの工芸館の歴史をご紹介します。
第1章 ◇ 明治の工芸 変わらなければ生き残れない!
明治の改元以降、廃藩置県、廃刀令、内閣制度の確立など、近代国家の礎となる政策が矢継ぎ早
に打ち出されていきます。武士階級という有力な後ろ盾を失った工芸家たちも、生き残りの方法を
模索します。ある者は住む場所を変え、またある者は、社会的な立場を変え…変わらなければ生き
残れない、そんな激動の時代を生き抜いた工芸家たちを紹介します。
第2章 ◇ 鈴木長吉と《十二の鷹》 新旧の技に挑む!
《十二の鷹》制作の指揮を執った鈴木長吉も、明治という時代にあわせ、自身の活動を大きく変
えた工芸家の一人です。海外の美術館やコレクターの所蔵となっている彼の作品はいずれも高さ2
メートル近く、あるいはそれ以上の大作です。《十二の鷹》は、日本古来の技法である色金の技術
を駆使し、我が国の高い文化的水準を世界に示そうとした作品ですが、近年の研究で、当時最新の
技術も使ったのではないかという指摘もなされています。新旧の技を駆使した明治の工芸家の気概
をご覧ください。
第3章 ◇ 「熱量」のゆくえ~工芸の変わりゆく姿
明治から大正・昭和へと、世相の移り変わりとともに、工芸家たちの制作にも変化が現れます。前へ表へと向かっていたその熱量は、表立ってそれとわかる装飾や大きさに代わって、内面に込めた作家の表現へと、その「熱」の在り処も変わっていきます。一見すると、落ち着き払って見える作品の内奥に見え隠れする工芸家たちの熱量を会場で感じてください。
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