「藤井湧泉――龍花春早 猫虎懶眠」高台寺掌美術館

「藤井湧泉――龍花春早 猫虎懶眠」高台寺掌美術館

名称:「藤井湧泉――龍花春早 猫虎懶眠」高台寺掌美術館
開催期間:2022年03月04日(金)〜 2022年05月05日(木)
会場:高台寺掌美術館
   高台寺
   圓徳院
時間:【掌美術館】9:00~22:00
   【高台寺】9:00~22:00
   【圓徳院】10:00~22:00
   ※各会場、最終入場受付は21:30まで
休館日:会期中無休
料金:3会場共通拝観券:900円
   ※各会場毎の拝観・入館料でもご覧いただけます(特別展としての追加料金設定はありません)
住所:〒605-0825京都府京都市東山区高台寺下河原町530 京・洛市「ねね」2F
TEL:075-561-1414
URL:高台寺掌美術館

京都を拠点に活動している気鋭の実力派画家・藤井湧泉(ふじい・ゆうせん)による、新作を中心とする展覧会です。
今回の展覧会では、寅年の2022年に合わせ、バラエティ豊かな「龍虎図」の数々を展示します。
元々龍虎図は禅画の代表的な画題のひとつで、天を統べる龍と地を統べる虎が相対して森羅万象を活気づけるという縁起の良いものです。湧泉はこの「龍虎図」と、同じく虎が登場する別の画題「四睡図」を組み合わせ、独創的な作品に仕立てました。「四睡図」は、虎に乗って歩くと言われた中国・唐時代の禅僧・豊干禅師とその弟子である寒山・拾得が、虎と仲良くうたた寝をしている画題で、平和を意味するともいわれます。湧泉はそこから“うたた寝する虎”のモチーフを取り出し、龍と組み合わせることで、新たな「龍虎図」としています。
湧泉の描くあくびをしたり微睡んだりしている虎は、まるでかわいい猫のよう。これは湧泉自身の親しみやすい性格の他、日本画に見られる猫をモデルに描いた可愛らしい独特の虎、いわゆる“ネコトラ”の要素を感じさせます。それでいて、中国画的な緻密な体毛の表現も見られ、多彩な表現の融合が湧泉ならではの画風を生み出しています。
展覧会のタイトルは、湧泉が考えた造語で、花咲く春に龍と対峙する虎がうたた寝する、湧泉の「龍虎図」の世界を表したもの。不安定な世の中で、何とか人心が穏やかで平和であってほしいという願いが込められています。
高台寺には16点・圓徳院に12点・掌美術館には13点と、3会場合計で41点の作品を展示します。各会場は必ず1組の「龍虎図」を置くことをコンセプトに、それぞれ別のテーマで展示が行われ、3会場を通して見ることで、花鳥画や美人画まで湧泉の多彩な画風を通覧できる構成となっています。
災いを払う龍と癒し系の虎をはじめ、藤井湧泉の作品世界との出会いを、この機会にお楽しみください。

藤井湧泉

藤井湧泉
1964年中国江蘇省啓東市生まれ。1984年に蘇州大学芸術学院を卒業後、20代から北京服装学院講師を務める。その後1992年に来日、2年後に日本人女性と結婚。以来約30年間京都を拠点にファイン・アートから衣装図案まで幅広く活動。「湧泉」の画号は哲学者・梅原猛氏の命名によるもの。(2011年までの作品は署名落款を中国名「黄稚」、2012年以降は日本名「湧泉」とする)
元々の中国画における対象をできるだけ濃密に描き余白を埋めようとする「足し算の美意識」と京都で学んだ琳派などの日本画における対象を簡素化し画面に余白をとろうとする「引き算の美意識」、相対する表現の限界調和を目指す。
2010年に圓徳院に《蓮独鯉》、2019年に高台寺に《妖女赤夜行進図》を奉納した他、一休寺、西大寺、相国寺、金閣寺、林光院等の日本を代表する古刹名刹に作品が収蔵されている。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る