八木恵梨 「LIFE, SAVE, AH〜 #6」トークンアートセンター

八木恵梨 「LIFE, SAVE, AH〜 #6」トークンアートセンター

名称:八木恵梨 「LIFE, SAVE, AH〜 #6」トークンアートセンター
会期:2022年6月4日(土)~2022年7月3日(日)
開館時間:12:00 〜 19:00
休館日:月曜、火曜、水曜、木曜、金曜
入場料:無料
会場:トークンアートセンター
住所:〒131-0032 東京都墨田区東向島3-31-14
URL:トークンアートセンター

Token Art Centerでは2022年6月4日より八木恵梨個展「LIFE, SAVE, AH〜 #6」を開催します。
八木は個人の幻視や妄想、あるいはそれが深化していく様子を他者と共有する営みに興味を持ち、これまで自身が経験した幻視や妄想をドローイングや映像、インスタレーション、パフォーマンスなどで表現してきました。
近年継続して取り組んでいる「LIFE, SAVE, AH〜」シリーズは、八木が泥酔した際に見た幻の男性、「ライフセイバー」をめぐる物語です。「ライフセイバー」のことが忘れられず、一方でただ一度幻で見たそれはとても曖昧な像であったため、当初は幻の男性を繰り返し描きその輪郭を探ったり、妄想的に発展させた物語を制作していました。そのことを継続するうちに八木の興味は、幻の男性からそれに執着する自分自身へと移行していきます。つまり特定のイメージに執着、依存する人間像への関心です。その頃から「ライフセイバー」にアプローチする女性(八木の別人格という設定)を「スイムキャップ」と名づけ、このシリーズは「ライフセイバー」と「スイムキャップ」、二人の関係性をめぐる物語へと発展していきます。ここに至って八木の制作は、幻視に囚われた人の自己実験や治療のようでありながら、特定の対象に盲信する人々のありようを俯瞰的に捉えようとする試みであるとも言えます。
八木が自身の絵画やドローイングを「ごく個人的なイメージを他者と共有するためのツール」と話している通り、「LIFE, SAVE, AH〜」シリーズの絵画は、製図やテクニカルイラストレーション、ダイアグラムなどの技法を参照した明瞭で誰もが認識しやすい線描や色彩を用いて、物語上重要なメタファーやエピソードを織り込んだモチーフが描かれます。例えば、「LIFE, SAVE, AH〜 #4」で登場するモチーフ、チェーンブロックは八木が再び「ライフセイバー」を見たいと願い、当初幻を見た際の体勢(お姫様抱っこ)を再現するための器具として使用しているものであることから、「スイムキャップ」が「ライフセイバー」に焦がれていることの隠喩となっています。また同時に、それが身体が浮かせる装置であることから、重力ひいては社会規範からの解放、あるいは超能力なども象徴しています。このように一つ一つに多分にメタファーを包含させたモチーフが、微妙なバランスで配置、相互に関係づけられ、私的な架空の物語が一枚の絵画として出力されます。共有し得ない私的、内的なヴィジョンを共有しようとする営み。その中に八木は新たな絵画、イメージを生み出す可能性を見ているのです。
本展「LIFE, SAVE, AH〜 #6」では、これまでの二人の物語に加え、近年八木が関心を持っている陰謀論、魔術、超常現象など、正史から外れた思想やそこから生まれる創造物がテーマとなっています。「ライフセイバー」を信仰対象のように執着している「スイムキャップ」もとい八木自身が、正史から外れた事実とは異なる(かもしれない)、あるいは存在しない(かもしれない)ことを盲信する人々に重ね合わされています。正しいとされる事実からのパラダイムシフト前夜、予兆のような断片的なイメージから本展は構成されます。

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