「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」ひろしま美術館

「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」ひろしま美術館

名称:「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」ひろしま美術館
会期:2022年7月16日(土) ~ 8月28日(日) 会期中無休
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:
   一般 1,300円(1,100円)
   高大生  1,000円(800円)
   小中学生  500円(300円)
   ※( )内は前売または団体(20人以上)の料金です。
主催:公益財団法人ひろしま美術館、テレビ新広島、中国新聞社
後援:広島県教育委員会、広島市教育委員会、中国放送、広島テレビ、広島ホームテレビ、広島エフエム放送、FMちゅーピー76.6MHz、ちゅピCOM
特別協力:渡邊木版美術画舗
協賛:広島銀行
企画協力:アートワン
住所:〒730-0011広島県広島市中区基町3-2 中央公園内
TEL:082-223-2530
URL:ひろしま美術館

チャールズ・W・バートレット《ホノルル漁夫》大正8年(1919)
チャールズ・W・バートレット《ホノルル漁夫》大正8年(1919)

「新版画」は、新時代の浮世絵を提唱した渡邊庄三郎と彼の版元・渡邊版画店(現在の渡邊木版美術画舗)によって考案されました。明治末期、衰退しつつあった伝統的な浮世絵版画の制作手法を踏襲しつつ、西洋の写実表現など近代的な画風を取り入れた「新版画」は、今日においてもその繊細で流麗な仕上がりに評価を得ています。本展では、「新版画」の生みの親である渡邊庄三郎と渡邊版画店に焦点をあてて紹介します。伊東深水らによる美人画、山村耕花らによる役者絵、川瀬巴水、笠松紫浪らによる風景画、小原祥邨による花鳥画などの日本人画家に加え、当時日本に関心をよせ「新版画」の発展に大きく貢献した外国人画家らによる作品なども紹介し、瑞々しい情趣や清新に包まれた、その魅力に迫ります。
江戸時代に花開いた浮世絵版画は、明治以降の西洋近代化の波により、衰退の一途をたどります。その中で、かつて世界に誇った木版画技術を何とか守り伝えたいという思いから、江戸時代から続く彫師、摺師が一体となる伝統的な分業体制に則しながら、同時代の画家たちの近代的な絵画を新たな木版画で表現しようとした取り組みが、「新版画」の始まりとされています。その新版画の形式を創案、牽引したのが渡邊庄三郎(1885-1962)と彼の版元・渡邊版画店(現在の渡邊木版美術画舗)でした。
 渡邊庄三郎は、17歳の頃より、浮世絵商・小林文七が営む蓬枢閣(ほうすうかく)の横浜支店に務め、外国人を相手に浮世絵の販売や復刻浮世絵版画の制作に関わった経験から、浮世絵、とりわけ木版画が持つ独特の美しさに魅了され、木版画の復興を志します。その後、様々な紆余曲折を経て、その思いを実現すべく明治42年(1909)に24歳で独立し、東京・京橋に渡邊版画店を構えます。大正4年(1915)から、外国人画家の作品の版画化に取り組み、当時の新進気鋭の画家たちを木版画のもとになる絵師として起用します。美人画、役者絵、風景画や花鳥画などの伝統的なジャンルを踏襲しながらも、庄三郎の優れた審美眼をもって、高品質な材料とそれまでにない彫りや摺りを駆使し、最新の「浮世絵」を世に送り出します。その結果、昭和の初めに国内外で巻き起こる“新版画ブーム”の火付け役となりました。

川瀬巴水《旅みやげ第三集 星月夜(宮嶋)》昭和3年(1928)
川瀬巴水《旅みやげ第三集 星月夜(宮嶋)》昭和3年(1928)
名取春仙《新派似顔絵 大河内伝次郎の丹下左膳》昭和9年(1934)
名取春仙《新派似顔絵 大河内伝次郎の丹下左膳》昭和9年(1934)
小原祥邨《金魚鉢に猫》昭和6年(1931)
小原祥邨《金魚鉢に猫》昭和6年(1931)
小原祥邨《柘榴に鸚鵡》昭和初期
小原祥邨《柘榴に鸚鵡》昭和初期
川瀬巴水《東海道風景選集 日本橋(夜明)》昭和15年(1940)
川瀬巴水《東海道風景選集 日本橋(夜明)》昭和15年(1940)
小原祥邨《金魚鉢に猫》昭和6年(1931)、木版多色摺、渡邊木版美術画舗
小原祥邨《金魚鉢に猫》昭和6年(1931)、木版多色摺、渡邊木版美術画舗

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