磯谷博史 「揺れる色彩」板室温泉 大黒屋

磯谷博史 「揺れる色彩」板室温泉 大黒屋

名称:磯谷博史 「揺れる色彩」板室温泉 大黒屋
会期:2022年7月1日(金)~2022年7月30日(土)
開館時間:9:00 〜 17:00
入場料:無料
会場:板室温泉 大黒屋
住所:〒325-0111 栃木県那須塩原市板室856
TEL:0287-69-0226
URL:板室温泉 大黒屋

板室温泉大黒屋では7月1日(金)より7月30日(土)まで、磯谷博史「揺れる色彩」を開催いたします。大黒屋で3度目の個展となる本展は、近年発表してきた作品群に新作を加えた全21点で構成されます。磯谷は1978年東京都生まれ。東京藝術大学建築科を卒業後、同大学大学院先端芸術表現科およびロンドン大学ゴールドスミスカレッジで美術を学びました。主に写真、彫刻、ドローイングによるインスタレーションの制作を通して、事物への認識を再考しています。
展覧会の中心となる「着色された額」の写真シリーズは、2011年から継続的に発表されているものです。セピア調の写真は、「名前のない出来事」と作家が呼ぶ、日常に発見された様々な景色や現象がモチーフとなっています。カラーで撮影された写真から色彩を減退し、同時に、かつて写真の中にあった特徴的な1色または2色が、フレームの一部に着彩されています。色と形の情報を意図的に分けることで、フレームの色と、写真の中のモチーフはパズルのような関係を結び、鑑賞者の想像力に復元という運動を促しています。作家は「写真は過去しか撮れないが、鑑賞者の頭の中で復元されることにより現在に置かれる。」と言います。「写真にフレームをとりつけるのではなく、フレームという物質に写真を貼る。」とも話しており、「何が写っているか」だけでなく今ここにある「物質」として写真を捉えていることがわかります。
再生フェルトの上に配置された近作の立体作品「活性」は、5000年前の土器の破片を泥に戻し、現在の粘土と混ぜ合わせ再焼成したものです。古代と現代を焼物を通し混ぜ合わせることによって、物が内包する時間と文脈を更新し、古代の再利用と再活性を促していると言えるでしょう。
近年、パリのポンピドゥ・センターやサンフランシスコMoMAでの展示及びコレクションなど、着実に評価を高めている作家の3度目の個展、ぜひご高覧いただけましたら幸いです。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「返還30年 岐阜の赤羽刀総覧ー美濃伝をたどるー」岐阜県博物館
  2. 「春岱-稀代の名工-」瀬戸市美術館
  3. 特別展「岩合光昭写真展 こねこ」秋田県立近代美術館
ページ上部へ戻る