「アートで綴る 和光歳時記」セイコーハウス銀座ホール

田村星都 「細字古今集賀歌松竹梅文皿」 径24×高さ3㎝

名称:「アートで綴る 和光歳時記」セイコーハウス銀座ホール
会期:2022年12月15日(木) ~ 2022年12月25日(日)
開館時間:10:30~19:00(最終日は17:00まで)
会場:セイコーハウス銀座 6階 セイコーハウス銀座ホール
住所:〒104-8105 中央区銀座4丁目5-11
TEL:(03)3562-2111(代表)
URL:セイコーハウス銀座ホール

鳥毛 清 
沈金香合「花椿」
径7.8×高さ3.8㎝
鳥毛 清  沈金香合「花椿」 径7.8×高さ3.8㎝
白い雪の景色の中にひときわあざやかに咲く赤い椿は私の遠い北国のふるさとを思い出させる。子どもの頃に見た女性が羽織った赤いマントにも似た赤い印象は今でも忘れられない。

来年の干支「卯」のように穏やかでそして跳躍できる一年となりますよう——。
新しい年への吉祥を願った春夏秋冬の雅をご覧いただく「アートで綴る 和光歳時記」。
2年ぶり4回目となる今展は、美術工芸のさまざまな分野で活躍する作家12名の作品100余点が会します。今年最後の展覧会を飾る多彩な技と個性の共演をお楽しみください。

江里朋子 
截金飾筥「蒼光」
10.5×20.5×高さ7㎝
江里朋子  截金飾筥「蒼光」 10.5×20.5×高さ7㎝
截金は焼き合わせて厚みを持たせた金箔やプラチナ箔を細く截ったものを貼りつなぎ文様を描く技法です。日本には飛鳥時代仏教の伝来とともに大陸より伝わり、仏像、仏画の加飾荘厳にふさわしい技法として発展して参りました。先人が守り伝えた技法に「いま」の時代の表現を模索しながら制作しています。
朝の散歩道、見上げると樹々の間から陽の光がこぼれ輝く美しさに感動した思いをモチーフに制作しました。
滝口和男 
「行く年来る年を継ぐものたち」
匣:22×29×高さ11㎝、豆干支:5×7×高さ6㎝
滝口和男  「行く年来る年を継ぐものたち」 匣:22×29×高さ11㎝、豆干支:5×7×高さ6㎝
京都の四季の情景を織り込んだ楕円形の陶匣で十二支を収容できる。オルゴールで回転する台の上に各年の干支を披露し楽しんでいただけます。
山口暁子
「聖夜譚」 
作品サイズ:13×14㎝
ショーケースサイズ:19×31×高さ4.5㎝
山口暁子 「聖夜譚」  作品サイズ:13×14㎝ ショーケースサイズ:19×31×高さ4.5㎝
子供たちが心躍らせるクリスマス。昔からその特別な日をモチーフに、数々の物語が生まれて来ました。そのうちの一つ、「くるみ割り人形」をもとにイメージを膨らませ、少女の夢みる表情を描いています。
吉岡更紗
「生絹 かさね色ストール」
108×190㎝
吉岡更紗 「生絹 かさね色ストール」 108×190㎝
平安時代の王朝人は、その季節に咲く草木花を思わせる色を組み合わせたかさね色を纏うことがセンスの現れであるとされていました。 手織りの生絹ストールを、杜若(かきつばた)をイメージしたかさね色のグラデーションで染め重ねました。 他にもさまざまな草木花をイメージしたかさね色のストールを出品する予定です。
山崎 葉
「紫陽花 瓶」
径6.5×高さ8.3㎝
山崎 葉 「紫陽花 瓶」 径6.5×高さ8.3㎝
孵化して間もない小さなカマキリ。 ふかふかの紫陽花がそっと住まわせ、その誕生を祝福しているかのように目に映りました―。
身近な動植物たちの 生 へのひたむきな姿に強く惹きつけられ、自身で吹いたガラス生地に、エナメル顔料を用いて描き起こしています。
安田直子
「金魚文壷」 
径15×高さ27㎝
安田直子 「金魚文壷」  径15×高さ27㎝
赤土に白い化粧泥をかけて金魚を描いています。金魚が自由にどこまでも泳いでいけるようにと思いながらつくりました。真冬の氷の下でも冬を越して元気に生きる金魚。17年目の金魚との暮らしの中で感じたことを表現できたらと思っています。
小西 潮 
(上から時計回りに)
「レースそば猪口」径8×高さ6.5㎝
「レースボウル」径12×高さ4.5㎝
「レース蓋物」径5.5×高さ4.5㎝
小西 潮  (上から時計回りに) 「レースそば猪口」径8×高さ6.5㎝ 「レースボウル」径12×高さ4.5㎝ 「レース蓋物」径5.5×高さ4.5㎝
長く制作を続けていると、細かい部分の仕上げが緻密にできるようになり、作品のクオリティが多少向上する。ところが、世の中の変化に応じ、使えていた材料が使えなくなったり、燃料が高騰したり、人と会うことが困難になったり、今までにない事態に制約されることも多い。不便に直面し、手が止まる中から発見することもある。悩む時期が続き、今更ながら、作品が少し成長したように思う。
神垣夏子
(左)乾漆香合「梅」
4×3.5×高さ4㎝
(右)乾漆香合「すもも」
4.5×4.5×高さ5㎝
神垣夏子 (左)乾漆香合「梅」 4×3.5×高さ4㎝ (右)乾漆香合「すもも」 4.5×4.5×高さ5㎝
乾漆(かんしつ)造りの香合。
身近な果物を小物入れにしました。 用の美ならぬ、用の「カワイイ」を目指しています。
小黒アリサ
「星さがし」
8×10.5×高さ12㎝
小黒アリサ 「星さがし」 8×10.5×高さ12㎝
小黒アリサ
干支の兎をモチーフに、星を探して空を見上げる様子を彫りました。 ランタンも木彫です。
星は暗い夜空でこそより輝き、見るものを驚かせてくれる。 宇宙の広大さを感じて、小さな地球、小さな自分を見つめなおす。
“暗闇の中で希望をみつけるかのように、星を探しに行こう。”
東園基昭
「初音」
作品サイズ:27.3×16㎝
東園基昭 「初音」 作品サイズ:27.3×16㎝
今回は来年の干支「卯」に因み、五人囃子をテーマにした日本画作品をご覧にいれます。

漆芸 鳥毛 清(とりげ・きよし)
1955年石川県生まれ。沈金の重要無形文化財保持者(人間国宝)前 史雄氏に師事。日本伝統工芸賞 高松宮記念賞、紫綬褒章受章など。繊細な点描と躍動感のある表現で漆芸の魅力を伝え続けています。
陶芸 田村星都(たむら・せいと)
1980年石川県生まれ。古典文学を極細の毛筆で磁器に書き込む筆細字技法を継ぐ四代目。一世紀以上一子相伝で伝えられてきた技をベースに伝統の細字に英字を加えるなどモダンな作品も創出しています。
截金 江里朋子(えり・ともこ)
京都府生まれ。截金(きりかね)の重要無形文化財保持者(人間国宝)江里佐代子が母。日本伝統工芸展新人賞受賞。截金とは金箔やプラチナ箔を細く切り、筆先で貼り文様を描く技法です。
陶芸 滝口和男(たきぐち・かずお)
1953年京都府生まれ。日本陶芸展大賞・秩父宮賜杯、日本陶磁協会賞など数々の賞を受賞。日本語の持つ情緒性や季節感にあふれ、自由な発想から生まれる遊び心のある作風で海外にもファンを持ちます。
日本画 山口暁子(やまぐち・あきこ)
東京都生まれ。東京藝術大学大学院日本画科修了。サロン・ド・プランタン賞、紫峰賞受賞など。絹本に裏側から彩色する古典技法を用い「記憶と物語を結ぶ作品」をテーマに幻想的なタッチで制作しています。
染織 吉岡更紗(よしおか・さらさ)
京都府生まれ。江戸時代より続く京都の老舗「染司よしおか」六代目当主。植物染による古来の和色を再現。作品は英国ビクトリア&アルバート博物館に永久保存。透明感のある作風で定評があります。
ガラス 山崎 葉(やまざき・よう)
山梨県生まれ。多摩美術大学卒業後、山梨県のアトリエで吹きガラス・エナメル絵付けを主として創作活動を開始。現代ガラス大賞展入選、日本クラフト展入選。草や花、虫を生き生きと描き出します。
陶芸 安田直子(やすだ・なおこ)
千葉県生まれ。神谷紀雄氏のもとで陶芸を学び、2016年地元館山に築窯。日本伝統工芸展入選、東日本伝統工芸展奨励賞など、陶器の中を自由に泳ぐ金魚の文様にこだわり、作品に反映させています。
ガラス 小西 潮(こにし・うしお)
1964年千葉県生まれ。富山ガラス造形研究所、アメリカでのガラススタジオでの修行を経て三浦市にガラス工芸「潮工房」を設立。イタリアのレースグラスに日本の伝統色を取り入れるなど独自の作風で知られます。
漆芸 神垣夏子(かみがき・なつこ)
東京都生まれ。香川県漆芸研究所研究生課程修了。日本伝統工芸展新人賞、奨励賞など受賞多数。麻布を漆で貼り重ねた乾漆で作るリアルな質感の香合「果物シリーズ」など、漆芸の新しい魅力を発信しています。
木彫 小黒アリサ(おぐろ・ありさ)
東京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部彫刻科卒業。生きものが持つ丸みを誇張した不思議な動物たち「球獣」を木彫で表現する注目の若手彫刻家。手に載せて愛でることのできるオブジェで人気です。
日本画 東園基昭(ひがしぞの・もとあき)
1975年東京都生まれ。多摩美術大学美術学部絵画科卒業。東京国際フォーラム「アートフェア東京」、東京美術倶楽部「東美アートフェア」、台湾「Art台北」など数々に出展。モダンで優美な作風が特徴です。

田村星都 「細字古今集賀歌松竹梅文皿」 径24×高さ3㎝
田村星都 「細字古今集賀歌松竹梅文皿」 径24×高さ3㎝
毛筆細字技法による古今集のおめでたい内容の和歌と、九谷焼の伝統的な色使いの松竹梅模様を描き入れてあります。

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