河口龍夫個展「涙の質」SNOW Contemporary

涙の質 01 2013年/ 涙、ガラス瓶、コルク栓、蜜蝋、硫化カドニウム、木 /直径56 x 高さ41mm

名称:河口龍夫個展「涙の質」SNOW Contemporary
会期:2023年4月21日〜2023年6月10日
開館時間:13:00 – 19:00
休館日:日・月・火・祝日
会場:SNOW Contemporary
入場料:無料
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
TEL:03-6427-2511
URL:SNOW Contemporary

SNOW Contemporaryでは2023年4月21日 (金)〜 6月10日(土)まで河口龍夫の個展「涙の質」を開催いたします。
日本を代表する現代美術作家の一人である河口龍夫は、1960年代から生命や時間、エネルギーといった非物質的な事象を可視化する作品を中心に、数多くの概念芸術作品を発表してきました。
2011年3月11日、河口龍夫は自身の芸術にとって最大の理解者のひとりである美術評論家・中原佑介氏の訃報を知らされました。そして同日に起きた東日本大震災によって河口は完全に言葉を失い、失語状態に陥ったと言います。そのことについて河口は次のように述べています。
「3.11以後、私は涙もろくなったような気がする。中原氏の悲報に涙した、その涙は私自身が納得できる涙である。しかし、3.11以後に涙するのは、今までに経験したことのない涙である。つまり、自分なりに理解できる理由や意味が不明確なまま何故か泣けてくるのである。それは泣くと言う形容だけでは収まらない、(中略)言葉だけでは表現しつくせない涙である。その涙は、涙の質そのものがまさに変質してしまったかのような涙なのではなかろうか。」(河口龍夫テキスト『「涙」の「質」をめぐって』より抜粋)
かけがえのない人の死という明確な悲しみから来る「涙」と、理由が分からずただ流れてしまう「涙」を河口は「涙の質」が変質したと捉えました。そしてその後、河口は「涙」を密封する作品シリーズ『涙の質』の制作を開始します。これまで河口が種子を封印してきた鉛のシリーズのように、涙を封印することにより「涙」の普遍性を獲得するのだと河口は考えます。
コロナウイルスの流行やウクライナでの侵略戦争によって多くの人が悲嘆の涙を流している時代だからこそ、あらためて『涙の質』について思いを馳せていただけたら幸いです。皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。

涙の質 01 2013年/ 涙、ガラス瓶、コルク栓、蜜蝋、硫化カドニウム、木 /直径56 x 高さ41mm
涙の質 01 2013年/ 涙、ガラス瓶、コルク栓、蜜蝋、硫化カドニウム、木 /直径56 x 高さ41mm

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