​須藤由希子 「旅 ─ チューリッヒ」小山登美夫ギャラリー天王洲

​須藤由希子 「旅 ─ チューリッヒ」小山登美夫ギャラリー天王洲

名称:​須藤由希子 「旅 ─ チューリッヒ」小山登美夫ギャラリー天王洲
会期:2023年5月27日(土)~2023年6月17日(土)
開館時間:11:00 〜 18:00
休館日:日曜日、月曜日、祝日
オープニングパーティー:2023年5月27日(土) 17:00 から 19:00 まで
入場料:無料
会場:小山登美夫ギャラリー天王洲
住所 〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex Ⅰ 4F
TEL:03-6459-4030
URL:小山登美夫ギャラリー天王洲

この度小山登美夫ギャラリーでは、須藤由希子展「旅 ー チューリッヒ」を開催いたします。本展は作家にとって弊廊における初の展覧会となり、新作約8点を発表します。
須藤由希子は1978年神奈川県生まれ。2001年多摩美術大学美術学部デザイン学科グラフィックデザイン専攻卒業し、現在神奈川県で制作活動を行なっています。
古い家や庭、駐車場に生えた雑草、小学校のプールなど、、須藤は道を歩いて出会い、心を強く掴まれた日常の美しい景色を緻密に描いてきました。作品からはそのときの感動や、自分の心まで美しくなったように感じたという、作家の昂揚が静かに伝わってきます。
須藤自身「絵は心を写すもの」「(自分が生まれ育ち、生活する場所の中で)美しいものを探すことは今現在の状況を認め、愛すること」と語るように、作品において表現と作家の心、アイデンティティが密接につながることは大きな特徴といえるでしょう。
画材も自身が一番しっくりくる鉛筆を使用しています。
鉛筆の少し青みがかった色、質感、こすった感じ、消え残る様子、細部をしっかりと描きたいという欲望もかなえてくれる画材です。鉛筆の色は須藤が灰色のコンクリートの住宅街で生まれ育ったこと、また線画であることは、幼い時から馴染んだ漫画やアニメの影響とつながるといいます。
各々のモチーフを個別に克明にとらえ、陰影がない平坦な景色の組み合わせにより、パースペクティブは独特なゆらぎと絶妙なリアリティをかもしだしています。ところどころ水彩で着彩された部分は、須藤の印象に残った箇所であり、そのモノクロとカラーの両立は、観る者の想像力をより駆り立てるでしょう。 
国立国際美術館 主任研究員の安來正博氏は須藤作品に関して次のように述べています。
「須藤の絵を見た時に多くの人が納得するのは、それが親しみやすいからというよりは、恐ろしいほどにわれわれの認識のあり様の正鵠を得ているからに他ならない。」
(『ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉』国立国際美術館、2014年)
須藤は「第16回 ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館」(2018年)「Late Autumn Weeds Exhibition」(107 S – CHANF、スイス、2019年)、 「センス・オブ・ワンダー もうひとつの庭へ」 (ヴァンジ彫刻庭園美術館、2020年)など国内外で多くの展覧会に参加し、作品は国立国際美術館、横浜美術館、東京都現代美術館をはじめ、国内外の多くのコレクターにも所蔵されています。
いままで主に日本の住宅街をモチーフとしてきた須藤ですが、本展の新作では、2019年スイスで個展をした際チューリッヒの街を散策し、人の営みと自然が良いバランスを保っている風景に心を奪われ、癒された場所を描いています。

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