「永守 紋子展」日本橋高島屋S.C.(本館)

「菊華図」 116.7×80.3cm

名称:「永守 紋子展」日本橋高島屋S.C.(本館)
会期:2023年10月11日(水)→16日(月)
会場:本館6階 美術画廊
住所:〒103-6190東京都中央区日本橋 2-5-1
TEL:03-3246-4310 本館6階 美術画廊(直通電話)
URL:日本橋高島屋S.C.(本館)

「高島屋の画廊の空間を考えた時、まず金屏風の桜と黒い背景の花々を描こうと思った」
約6年ぶりとなる高島屋の個展に際し、中島千波氏が最初にイメージしたのは金と黒の背景の、会場のメインとなる作品でした。
桜の画家として今や高名な中島氏ですが、若い頃は、東京藝術大学在学中よりシュールレアリスムや抽象表現主義など当時の前衛芸術の影響を受け、社会的・哲学的なテーマの作品を発表していました。その批評精神は現在の花鳥画や風景画の中にも垣間見られます。樹齢数百年以上の桜を描くことは“時間”と“存在”を描くこと、それは唯一無二の桜の肖像画を描くことだと中島氏は言います。同じ桜でも年を経る毎に形も佇まいも変化します。今回は40年描き続けている「淡墨桜」を初めて金屏風に描きます。
「装飾的に見えても自然に寄り添いながらリアリティーとして花を描いている。本物以上に描かないと本物にならない」
不断の写生が本質を捉える目を鍛え、装飾的な金や黒の背景は観念の世界に鑑賞者を誘い、モチーフの本質を際立たせます。金の背景はその反射の様相によって思いもよらぬ陰影を創り出し、洗練された黒の背景は「無」の光を放つようです。
前回の華やかな個展「乾坤爛漫」から、パンデミックを経て開催される今展は、思うように取材のできなかった時期に蓄積された思いや創意が形となって現れる展観となります。峻厳な富士の屏風、花々の小品、小さな生き物を描いたユーモラスなミニアチュールなども会場を彩ります。気韻溢れる作品の数々を、ぜひご高覧ください。

「菊華図」 116.7×80.3cm
「菊華図」 116.7×80.3cm

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