広重「東海道五十三次」展2.0 MOA美術館

庄野 白雨

名称:広重「東海道五十三次」展2.0 MOA美術館
会期:2024年05月24日(金) – 2024年07月01日(月)
会場:MOA美術館
時間:9:30~16:30 (最終入場時間 16:00)
休館日:木曜日
住所:〒413-8511静岡県熱海市桃山町26-2
TEL:0557-84-2511
URL:MOA美術館

日本橋 朝之景
日本橋 朝之景

江戸時代、大都市に成長した江戸では、活発な経済活動を背景に町人の文化が開花し、庶民の関心事を主題とする浮世絵がめざましく発展しました。庶民間における東海道旅行や名所旧跡の物見遊山が流行すると、風景画への関心が高まり、天保 4 年(1833)には、歌川広重「保永堂版 東海道五十三次」が版元竹内孫八から刊行されました。本シリーズでは、旅の情景や自然と融合した庶民の暮しが生き生きと描かれています。
この度の展覧会では、「保永堂版 東海道五十三次」の全55作品の展観に合わせ、高解像度で撮影した作品の映像投影や、当時の江戸の風景と現在の風景映像とを対比して展示し、作品の魅力に迫ります。
東海道五十三次(保永堂版)について
歌川広重の「東海道五十三次」(保永堂版)は、天保4年(1833)頃、版元竹内孫八(保永堂)と鶴屋喜右衛門(僊鶴堂)から共同出版され、のちに保永堂の単独出版となった大判55 枚の揃いものです。本シリーズでは日本橋から京師(京都)にいたる東海道の各宿を街道の風物や旅人の様子とともに描いています。四季の移ろいや晴、雨、雪、霧、風等の天気、時刻の変化等を巧みに画面に取り入れ、臨場感をもって季節感や旅情を表して、江戸庶民の旅への憧れをかきたてました。また人物描写に優れ、ユーモラスな表情や動きを表すとともに、一人ひとりの心情さえも生き生きと描いています。
保永堂版の成功によって、広重は浮世絵風景版画の第一人者となり、その後は「行書版」、「隷書版」、「五十三次名所図会」等、20 種をこえる東海道に関する作品が刊行されました。
歌川広重について 
歌川広重(1797〜1858)は、江戸定火消同心・安藤源右衛門の子として生まれました。13歳の時に両親と相次いで死別し、家職を継ぎましたが、15歳の頃、浮世絵師・歌川豊広(1774〜1830)に入門して広重の号を得ました。はじめ役者絵や美人画をてがけましたが、天保2 年(1831)頃、斬新な色調の「東都名所」シリーズを発表して風景画に開眼し、その後保永堂から刊行された「東海道五十三次」で成功をおさめました。抒情性に富んだ画風で活躍し、一大シリーズ「名所江戸百景」等、数多くの風景版画を世に出しました。

蒲原 夜之雪
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箱根 湖水圖
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三島 朝霧
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亀山 雪晴
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庄野 白雨
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