「HIRAKU Project Vol.15 大西康明 境の石」ポーラ美術館

「HIRAKU Project Vol.15 大西康明 境の石」ポーラ美術館

名称:「HIRAKU Project Vol.15 大西康明 境の石」ポーラ美術館
会期:2023年12月16日(土)-2024年5月19日(日)
場所:ポーラ美術館1F アトリウム ギャラリー
観覧料金:当日一般1,800円
休館日:会期中無休
協力:福田金属箔粉工業株式会社、アートコートギャラリー
住所:〒250-0631神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
TEL:0460-84-2111
URL:ポーラ美術館

HIRAKU Projectは、過去にポーラ美術振興財団の助成を受けた作家を紹介する展覧会シリーズ。第15回目となる今回は、空間への彫刻的なアプローチにより大規模なインスタレーション作品を国内外で数多く発表してきた大西康明を取り上げる。
大学時代に彫刻を学んだ大西は、型取り作業の経験から、ポジとネガの関係性や、ものそれ自体ではなく、その周囲を把握することに関心を持ち、これまで一貫して余白や空洞、体積、境界などをテーマに制作してきた。
本展では、大西が近年取り組んでいる銅箔を素材とした作品の新作を展示。銅箔は、多くの電子機器の内部で重要な役割を果たしているが、人の目に触れることはなく、多くの人はほとんどその存在を意識することもない。大西は、私たちの日常を裏側から支える銅箔をその機能から離し、河原の石に被せて叩くことによって成型し、大型のインスタレーションへと組み上げていく。
長い時間をかけて地表を移動してきた無数の石の表面には、これまでに削られ磨かれたことによる物理的な喪失と引き換えに、途方もない時間の蓄積と、この地球の記憶が宿っている。大西が生みだす銅箔は、型取りを通してそうした不在/存在を提示するとともに、ものごとを認識するためには表層を知るだけでなく想像力を豊かに働かせることが不可欠なこと、あるいは想像力を以てしてもすべてを見通すことはできないことをも、示唆している。
そこにないもの、見えないものに焦点を当てる大西の作品は、この複雑で多様な世界を、私たちがより自由で柔軟な感覚によって捉えるための助けとなることだろう。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 特別展「鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい鳥類の系統~」国立科学博物館
  2. 企画展 「『女流作家』―田村俊子と秋聲」徳田秋聲記念館
  3. 特別企画展「源氏物語とみやび」佐野市立吉澤記念美術館
ページ上部へ戻る