企画展「神仏を敬う」遊行寺宝物館

企画展「神仏を敬う」遊行寺宝物館

名称:企画展「神仏を敬う」遊行寺宝物館
会期:2024年2月17日(土)~5月13日(月)
開館日:毎週 土・日・月・祭日
開館時間:午前10時~午後4時30分(入館は閉館30分前まで)
住所:〒2510001 神奈川県藤沢市西富1の8の1
TEL:0466 ‐22‐2063
URL:遊行寺宝物館

 八百万の神のいる日本に仏教が伝えられた以降、神道と仏教は調和してゆきます。その信仰や思想は国内に広く浸透しつつ融合し、神仏習合(しんぶつしゅうごう)の教説が定着します。そして、日本の神祇(じんぎ)は先例を探れば仏であるとし、仏陀は人間を利益し衆生の苦しみや困難から救うために、日本の実情に合わせ神の姿となって現れた(垂迹/すいじゃく)としたのです。これが本地垂迹説(ほんちすいじゃくせつ)です。例を挙げれば、熊野三山における本地は、熊野本宮大社は阿弥陀仏、熊野速玉大社は薬師如来、熊野那智大社は観音菩薩です。また、神格化されてゆく人物にも本地が与えられます。仏教興隆につとめ四天王寺を建立した聖徳太子や、平安初期の公卿で、後世学問の神「天神」として全国的に信仰された菅原道真の本地は観音菩薩とされたのです。
  さて、時宗と天神の関係は『一遍聖絵』第十一巻第二段に描かれます。一遍上人が淡路国しつき(志筑)津名郡にある北野天神(道真)を祀る社(現在の志筑神社)に参詣した時、時衆に対して以下のように述べたのです。「天神の本体は阿弥陀如来をお手伝いする観音菩薩であり、人々が往生する時、西方極楽浄土から来迎し人々を乗せる蓮台を傾けられる方なのです。天神として出現した観音菩薩は現世や来世においても、そのご利益は他に並ぶものがありません。貴賎共に帰依するものが絶えることがないのです。また、天神は仮に太宰府に左遷されたという名を残してまで、濁れる末世の人々を助けられるばかりでなく、臨終の障害を除いて浄土へ往生できるよう、広くその門を開いているとされるのです。」天神の由縁を伝えられた二祖真教上人は、北野天神への参詣後、本地が観音菩薩となる天神に対する信仰心が深まり、道真の命日に因んだ天神の縁日とされる毎月25日に別時念仏を修し、一遍上人の教えを忠実に守ろうとしたのです。これらがきっかけとなり、時宗内の天神信仰が定着し、その証しとして遊行寺には束帯天神、渡唐天神、柘榴天神など、多数の天神像が収蔵されているのです。
  この度は、遊行寺所蔵の天神像を中心に、時宗に関係する神像を本地仏や関連資料と共に紹介します。神様仏様の御影や御利益を展示室にてお受けください。
2024年2月吉日
遊行寺宝物館

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