名称:「両洋のまなざし 石井光楓」千葉市美術館
会期:2024年4月6日(土)〜2024年6月16日(日)
会場:千葉市美術館
開館時間:10:00 〜 18:00
金曜日・土曜日は20:00まで
休室日:4月15日(月)、5月7日(火)、20日(月)、6月3日(月)
※第1月曜日は全館休館
入場料:一般 500円、大学生 400円、高校生・中学生・小学生 無料
住所:〒260-0013千葉県千葉市中央区中央3-10-8
TEL:043-221-2311
URL:千葉市美術館
「板倉鼎・須美子展」と同時開催の千葉市美術館コレクション展では、板倉夫妻と同時期にパリに留学した洋画家・石井光楓(1892-1975)を取り上げます。
夷隅郡浪花村岩船(現在の千葉県いすみ市)に生まれた石井光楓(本名・政二)は、日本画家である石井林響に師事したのち、22歳の頃に日本美術院研究所の門をたたき、洋画に転向しました。1921(大正10)年の第3回帝展出品作が特選候補となるなど着実に実力をつけていた光楓ですが、海の向こうへと憧れを抱き、留学を決意します。
30歳の光楓はまずアメリカへと向かい、続いてパリを目指しました。パリに到着した1925(大正14)年、アカデミー・ジュリアンにて本格的に洋画を学びます。1920年代のパリは、世界中から芸術家が集まり、さまざまな芸術潮流が花開くなど、創造的なエネルギーに満ちていました。エコール・ド・パリ全盛期の只中に身をおいた光楓は、藤田嗣治ら活気あふれる画家たちと交流をしながら、優れた描写力を身につけ、才能を開花させていきます。この頃の作品は特に東洋的な詩趣に富み、両洋の視座を得た光楓の作品は「ネオ・オリエンタリスム」なものとして注目を集めました。得意とした水彩画、そして実直に取り組んだ油彩画にはそれぞれ西洋と東洋のまなざしが注がれ、光楓の制作に対する探究心があらわれています。
1931(昭和6)年に帰国してからは主に春陽会に活躍の場を求め、1949(昭和24)年には会員となります。また、同年に郷里に戻った光楓は、千葉県立長生第一高等学校(現・千葉県立長生高等学校)にて美術を教え、教育者として後進育成にも尽力しました。
本展では、当館所蔵の光楓作品の中から滞欧米時代の作品を中心に展観し、画業60年の歩みを回顧します。
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