名称:「密なる世界Ⅱ」アールグロリュー銀座
会期:2023年3月24日(金) ~ 2023年4月2日(日)
開館時間:10:30〜20:30 ※最終日は18:00閉場
住所:〒104-0061東京都中央区銀座六丁目10番1号 GINZA SIX 5F
TEL:03-3572-8886
URL:アールグロリュー銀座
北陸地域に制作の拠点をおき高度な技術で独自の表現世界を築いている漆芸の山村慎哉さん、陶芸の水元かよこさん、ガラスの塚田美登里さん、金工の釋永維さんの4人展をこの春4年ぶりに開催いたします。
2回目となる今展ではさらに密度の高い工芸表現を追求した4人の最新作が出展されます。
高密度の工芸表現―「密なる世界Ⅱ」に寄せて
外舘和子(多摩美術大学教授)
「超絶技巧」という言葉が流行語のように使われて久しい。明治工芸の再評価に伴い多用されるようになったこのフレーズは、昨今の緻密な工芸の傾向を特徴付ける要素の一つではある。特に石川、富山といった北陸地域の作家はその動向を牽引している。しかし、この言葉を当てることで、単に作品が技術的に高度である、という見方で済まされてはならない。今回の北陸の4名は確かに高度な技術を用いているが、技術はあくまでも手段であり、各自の表現世界を築くことが目的である。強いて4名の共通点を挙げれば、密度の高い装飾性である。山村慎哉の漆芸作品は、極細の螺鈿で器胎を覆い尽くさんばかりの手法で螺鈿の輝きを増幅させる。水元かよこの陶芸作品は強烈な色彩と特異な形態を巧みに組み合わせ、有無を言わせぬ強靱さを主張する。塚田美登里のガラス作品は、雄大な森や海のイメージへと誘いながら、ガラス内部に潜む深淵さで密度を示す。釋永 維の金工作品もまた、金属の無数の穴や縦横無尽な線が、時に複雑にして硬質な金属の柔らかさという側面を語る。<高密度の工芸表現>という現代性が今回の4名の作品世界に見出されよう。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。