考古用語辞典 A-Words

時代別順

旧石器時代
新石器時代
神話時代
殷・周時代
春秋戦国
秦・漢・三国
晋・南北朝
隋・唐・五代
宋・遼・金・元
明・清

分野別順

基本用語
青銅器
陶磁器
金銀・玉器
石器・ガラス
彫刻・書画
絹・衣類
建造物・遺跡・墓
歴史名城
歴史人物
研究機関
研究者
面白テーマ

二カ士立像 2009年1月24日更新

二カ士立像
【和:にりきしりゅうぞう
【中:Er li shi li xiang
宋・遼・金・元|彫刻・書画|石器・ガラス|>二カ士立像

一九七七年 河南省鄭州市開元寺塔基出土
石灰岩、浮彫・漆箔・彩色
(1).高八六.〇 幅四四.〇 奥行二八.〇
(2).高七六.〇 幅四六.○ 奥行二七.〇
北宋 10紀後半
河南・鄭州市博物館
鄭州開元寺の塔下の地下室から発見された天王および力士像で、二天王立像は地下室の門内の両側、二カ士立像は門外の両側に配置され、いずれも増築の壁面に取り付けられていた。この地下室に安置されていた舎利(亡失)を守護する尊像である。
二カ士立像は、上半身が裸形で、腰に裳をまとい、開口した忿怒相を示し、左手に金剛棒を持って右手を振り上げ(手首先を・欠失)、上体を前方へ乗り出すようにして立つ。題状に隆起する筋肉や浮き出す筋の表現が強く印象される。
一緒に発見された石棺(舎利容器)に開宝九年(九七六)の銘があることから、北宋(九六〇~一一二七年)初期の制作と推定され、この時期の天部像の貴重な遺例に数えられる。外敵を威嚇するかのような力感あふれる姿態をみせるものの、短躯で、顔貌や肉身には誇張ともいえる表現が目立ち、五代(九〇七~九六〇年)の造形を色濃く残している。なお、各像の所々に、朱・褐色などの形色痕と金箔の残片が認められる。
開元寺は、唐の唐玄宗(在位七一二~七五六年)の勅願により、開元二六年(七三八)、各地の主要都市に建立された寺院であるが、北宋時代以降、改名・改築されたところが多い。本像が出土した鄭州の開元寺も、少なくとも塔のみは、これらの像が制作された北宋初期に改築されたことが判明する。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
関連用語:

Copyright 2006 abc0120 All rights reserved.