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真草千字文 2009年3月9日更新

真草千字文
【和:しんそうせんじもん
【中:Zhen cao qian zi wen
隋・唐・五代|彫刻・書画|>真草千字文

智永筆
一帖
紙本墨書
縦二四・五 横一〇・九
隋時代・七世紀
「大地玄黄、宇宙洪荒」に始まる千字文は、 一字も重複のない千文字を撰び、四年ずつを一句として、二百五十句の韻文としたものである。内容は身のまわりの自然から説きはじめ、やがては人の生き方にまで及んでいる。本来は王羲之(三〇三―三六一)の書の中から文字を撰んだと伝えられるように、千字文は識字と習字に恰好のテキストとして普及し、歴代の名家の手になる作例も多い。中国における「いろは歌」としては、古くから急就章があるが、千字文が出るに及んで、これが広く用いられるようになった。千字文の撰者については諸説があり、 一説に梁の武帝が周興嗣に命じて作らせたというが、確証はない。
本作は、王羲之の七代目の子孫にあたる智永が、楷書(真)と草書で千字文を書写したもの。智永は永欣寺の閣上に三十年間閉じこもり、八百本の真草千字文を書きあげ、浙東の諸寺に各一本を施入したという。当時の書はおしなべて末期的な様相を呈し、異体字が氾濫していた状況にあったことから、王羲之の伝統的な書法を継承する智永は、真草千字文によって王羲之の家法を後世に伝えようとしたのであろう。唐時代を遡る梁,陳間の遺風をたたえている。
黄褐色の麻紙様の紙を用い、各頁には四行、 一行には十文字を収め、標題を含めると、全二百三行にわたって書かれている。「国家珍宝帳」には、「巻五一、真草千字文二百三行、浅黄色、紺綾褾、綺帯、紫檀軸」の記載があることから、本帖は奈良時代に王羲之の搨摸本とともに日本に将来され、聖武.天皇(七〇一―七五六)の御遺愛品として東大寺に献納されたものと考えられている。出所:書の至宝-日本と中国2006
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