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秋萩帖 2009年3月15日更新
【和:あきはぎじょう】 |
【中:Qiu qiu tie】 |
彫刻・書画|>秋萩帖 |
伝小野道風・伝藤原行成筆
一巻
彩箋墨書
縦二四・〇 全長八四二・四
平安時代・十一・十二世紀
色変わりの美しい染紙二十一枚が交用された全長八メートル余の長い巻物である。第一紙は、薄藍色の漉き紙に和歌二首が草仮名で書かれている。この巻頭の「あきはぎの……」の一首の書き出しに因んで、「秋萩帖」と呼ばれている。二紙目以下は、「淮南鴻烈兵略間詰第廿」(「淮南子」と通称される)を書写した一巻の裏面を転用したものである。料紙は白紙のほかに、藍・黄・茶・緑などの漉き染め・浸け染め、引き染紙を交用している。ここには、十六紙目までに和歌四十六首が書写され、十六紙目の途中から巻末までは王羲之(三〇三~三六一)の尺牘十一通が臨書されている。この「淮南子」は唐時代入世紀の書写と推定されており、色変わりの美しい染紙の配色は、中国唐時代における美意識を反映したものである。この紙背の紙継ぎには伏見天皇(一二六五~一三一七)の花押かおり、その遺愛の品と知られる。霊元天皇(一六五四~一七三二)の筆になる箱書があり、天皇から、有川川宮家、高松宮家を経て国の所有となったものである。
二紙目以下の書風は一紙目の書風と類似するが異筆で、その筆意などからやや時代の下がった摸写と推定される。一紙目を小野道風(八九四-九六六)、二紙目以下を藤原行成(九七二~一〇二七)の筆とも伝えるが、諸説があり定説をみない。しかしながら、平仮名が完成する過渡期の草仮名で書いた遺品として、また、平安時代の王羲之愛好を物語る遺品としても貴重である。 出所:書の至宝-日本と中国2006
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