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継色紙(めつらしき) 2009年3月15日更新

継色紙(めつらしき)
【和:つぎしき
【中:Ji se zhi
彫刻・書画|>継色紙(めつらしき)

小野道風
一幅
彩箋墨書
縦一三・二 横二六・六
平安時代・十~十一世紀
 茶掛けの名物として、「寸松庵色紙」「升色紙」とともに三色紙としても著名で、屈指の古筆遺品としても名高い。変化に富む洗練された格調の高い書風を展開しており、草仮名から平仮名に移行する過渡期の遺品で、その料紙や書風などから十世紀後半から十一世紀初めの書写と推定されている。もとは、料紙を二つ折にして、折目を糊だけで重ね合わせた粘葉装の冊子本。見開きの部分にのみ、和歌一首を散らし書きにする内面書写の形式で揮毫される。
見開きで書写されるため、一頁には和歌を半首しか書写されないものが多く、古くは「半紙切」「半首切」の名前で呼ばれていた。「継色紙」の名前は、料紙を二枚継いだもの、あるいは継いだように見える見開きの料紙に書写されていることに因むものである。
 東京国立博物館所蔵の一幅が出典未詳のほかは、『万葉集』『古今和歌集』所収の和歌で、平安時代の撰集『続万葉集』の抄写本ではないかとする説、あるいは『古今和歌集』への編集作業中の第一次校本ではないかとする説などがある。
左右の料紙を少しずらしているのは、掛幅に仕立てる際の趣向である。もとの冊子本が、断簡として掛幅に姿を変えて転生した見事なものである。
 本作品は『古今和歌集』巻第七「賀歌」所収の一首である。左右の料紙の色が異なっており、粘葉装の内面書写であることがはっきり分かる一幅である。二つ折した左頁に上旬を書き起こし、二頁を隔てた次の内面に下句を書写してあったものを、掛幅にするに際してそれぞれの半分を切断して継ぎ合わせたものである。 出所:書の至宝-日本と中国2006
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