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古今和歌集巻第五(高野切本) 2009年3月16日更新
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彫刻・書画|>古今和歌集巻第五(高野切本) |
源兼行等
一巻
彩箋墨書
縦二六・四 全長五七三・六
平安時代・十一世紀
厚手の鳥の子紙の一面に細かな雲母を撒いた料紙に、『古今和歌集』を書写した現存最古の写本である。もと高野山に伝来したのでこの名があるという。このうち巻第五、八、二十の三巻が完本として現存するほか、巻第一、二、三、九、十八、十九の六巻は残巻もしくは断簡である。
書風は三つに分類され、便宜的に第一種、第二種、第三種とそれぞれ称されている。第一種が巻第一、九、二十、第二種が巻第二、三、五、八、第三種が巻第十八、十九である。古来より『古今和歌集』の撰者紀貫之(八六八頃―九四五項)筆と伝えて尊重されたが、筆者は未詳で、時代はおおよそ院政の初期(十一世紀末)と推定されている。
第一種には優美な連綿の美しさと、際だつた品格がみられ、最も指導的立場にあった能書の手になるとみられる。第二種に属する本巻は、やや側筆ぎみに右上から左下へ運ばれる筆線に特徴があり、重厚で粘りのある書風である。この巻第五の巻末には、古來より此集の撰者(紀貫之)の筆跡と伝える旨の後奈良天皇(一四九六―一五五七)の識語があるが、同得の作品に「桂宮本万葉集」「雲紙本和漢朗詠集」「関戸本和漢朗詠集」などがあり、筆者を十一世紀中頃の能書である源兼行(生歿年未詳)とするのが定説となっている。日本の書道史上、最も完成された美しさを示す仮名の作品としてのゆるぎない位置を占めている。 出所:書の至宝-日本と中国2006
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