「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」パラミタミュージアム

《西伊豆木負》 1937(昭和12)年6月

名称:「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」パラミタミュージアム
会期:2023年2月3日(金)~3月28日(火)
主催:公益財団法人岡田文化財団パラミタミュージアム
後援:中日新聞社、朝日新聞社、読売新聞社、NHK津放送局、三重テレビ放送
特別協力:渡邊木版美術画舗
資料提供:大田区立郷土博物館
企画協力:NHKエンタープライズ近畿、ステップ・イースト
住所:〒510-1245三重県三重郡菰野町大羽根園松ケ枝町21-6
TEL:059-391-1088
URL:パラミタミュージアム

《二見ヶ浦》日本風景集Ⅱ 関西篇1933(昭和8)年5月
《二見ヶ浦》日本風景集Ⅱ 関西篇1933(昭和8)年5月

旅情詩人と呼ばれた木版画家 
 大正から昭和にかけて活躍した木版画家・川瀬巴水(かわせ・はすい/1883~1957)。日本各地を旅し、庶民の生活が息づく四季折々の風景を描き続けた巴水は「旅情詩人」とも呼ばれ、今なお多くの人に愛されています。その巴水に影響を与えたのが、版元の渡邊庄三郎です。庄三郎は浮世絵の技術を継承しながらも、新しい時代の版画芸術として「新版画」を推進、巴水は庄三郎や、高い技術を誇る彫師・摺師らと協業しながら、日本国内における木版画の「芸術作品」の制作に励みました。
 巴水の創作活動が順調に進んでいた1923(大正12)年、関東大震災が発生し、この震災で庄三郎は作品や版木のほとんどを、巴水は写生帖を焼失してしまいました。早々に店の再建に取り掛かった庄三郎は、憔悴する巴水の背中を押して旅に送り出し、巴水は生涯で一番長い旅に出かけ、各地での写生を基に制作を再開します。この頃から巴水の筆致に変化が生まれ、震災前の作品に比べ、より写実的で鮮やかな色彩の作品が制作されるようになりました。
 本展では川瀬巴水の生涯を〈版画の制作を始めた頃から関東大震災が起きるまで〉〈震災を経て変化した作風〉〈太平洋戦争前後から晩年まで〉の3章に分け、代表的な作品と共にご紹介いたします。
 この機会に、日本の風景を詩情豊かに描いた、巴水の版画世界をご堪能下さい。
スティーブ・ジョブズも魅了した巴水
アップル・コンピュータの共同創業者スティーブ・ジョブズは、日本の新版画を愛し、特に川瀬巴水はお気に入りの作家でした。図版④はジョブズが購入した中にもあった作品です。

《芝増上寺》東京二十景 1925(大正14)年
《芝増上寺》東京二十景 1925(大正14)年
《馬込の月》東京二十景 1930(昭和5)年
《馬込の月》東京二十景 1930(昭和5)年
《日本橋(夜明)》東海道風景選集 1940(昭和15)年
《日本橋(夜明)》東海道風景選集 1940(昭和15)年
《月嶋の渡舟場》東京十二ヶ月 1921(大正10)年10月
《月嶋の渡舟場》東京十二ヶ月 1921(大正10)年10月
《西伊豆木負》 1937(昭和12)年6月
《西伊豆木負》 1937(昭和12)年6月

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