「コレクション展2023-夏秋 特集:本のために―大家利夫の仕事」和歌山県立近代美術館

大家利夫 ポオル・ヴアレリイ著『海邊の墓地』(清水洋子 挿画) 2004年 和歌山県立近代美術館蔵

名称:「コレクション展2023-夏秋 特集:本のために―大家利夫の仕事」和歌山県立近代美術館
会期:2023年8月11日(金)〜9月24日(日) 
会場:和歌山県立近代美術館
観覧料金:当日一般350円
休館日:月曜日(9月18日は開館)、9月19日
住所:〒640-8137 和歌山県和歌山市吹上1-4-14
TEL. 073-436-8690
URL:和歌山県立近代美術館

大家利夫 白石かずこ詩『羊たちの午后』特装本(スザンヌ・トライスター 画) 1998年 和歌山県立近代美術館蔵
大家利夫 白石かずこ詩『羊たちの午后』特装本(スザンヌ・トライスター 画) 1998年 和歌山県立近代美術館蔵

1963年に和歌山城内で開館した和歌山県立美術館を前身とする同館は、1970年11月、日本で5番目の公立近代美術館として県民文化会館の1階に開館した。そこで23年あまり活動したのち、1994年に現在の黒川紀章の設計による建物へ移転し、展示・保存環境を拡充させてミュージアムとしての活動を続けている。コレクションは和歌山ゆかりの作家を中心として、創作版画、関西の戦後美術などへその範囲を広げ、現在では海外の作家も含め、総数1万点を超える作品を収蔵している。コレクション展では、所蔵品を通じて幅広い美術の表現に接していただけるよう、季節ごとに展示を替え、その紹介を続けている。
今回は特集展示として、造本家・大家利夫の作品を紹介する。大家利夫は1949年、東京に生まれた。15歳の頃から限定本の世界に惹かれるようになり、個人出版での本作りから、渡仏しフランスの伝統工芸である箔押と手工製本(ルリュール)、工業製本全般を学ぶ。箔押師として仕事を始め、製本工芸の名品を生み出したことで知られるジベール・バレ・デザイン事務所やデルモン・デュバル工房で働いて研鑽を積んだ。帰国後、大家利夫美術装丁工房を設立。1984年にはあらたに指月社(しげつしゃ)を設立し、詩人や翻訳者、研究者、そして柄澤齊、スザンヌ・トライス ター、山本容子、渡辺和雄、森村泰昌、O Junといった美術家やデザイナーたちの良き理解者・協力者として伴走しつつ、内容、材料、印刷、製本、頒布のすべてに心血を注ぐ、世界でもほかに類をみない個人出版社となった。本のために、挑戦を続けて完成された、作品としての本がそこにはある。
また今年2月から4月にかけて開催した「とびたつとき 池田満寿夫とデモクラートの作家」展において、1950年代から60年代にかけての彼らの作品を紹介したのに続き、池田満寿夫の1960年代から80年代の作品を広島市現代美術館の協力により特集する。

大家利夫 ジョン・ソルト著、田口哲也監訳『北園克衛の詩と詩学 意味のタペストリーを細断[シュレッド]する』特装本 2017年 和歌山県立近代美術館蔵
大家利夫 ジョン・ソルト著、田口哲也監訳『北園克衛の詩と詩学 意味のタペストリーを細断[シュレッド]する』特装本 2017年 和歌山県立近代美術館蔵
大家利夫 ジョン・ソルト著、田口哲也監訳『北園克衛の詩と詩学 意味のタペストリーを細断[シュレッド]する』特装本 2017年 和歌山県立近代美術館蔵
大家利夫 ジョン・ソルト著、田口哲也監訳『北園克衛の詩と詩学 意味のタペストリーを細断[シュレッド]する』特装本 2017年 和歌山県立近代美術館蔵
大家利夫 ポール・ヴァレリー著、小宮正弘訳『書物の容姿』特装本(柄澤齊 装画) 1999年 和歌山県立近代美術館蔵
大家利夫 ポール・ヴァレリー著、小宮正弘訳『書物の容姿』特装本(柄澤齊 装画) 1999年 和歌山県立近代美術館蔵
大家利夫 ポール・ヴァレリー著、小宮正弘訳『書物の容姿』特装本(柄澤齊 装画) 1999年 和歌山県立近代美術館蔵
大家利夫 ポール・ヴァレリー著、小宮正弘訳『書物の容姿』特装本(柄澤齊 装画) 1999年 和歌山県立近代美術館蔵
大家利夫 気谷誠著『メリヨンの小さな橋』特装本(柄澤齊 巻頭画) 1986年 和歌山県立近代美術館蔵
大家利夫 気谷誠著『メリヨンの小さな橋』特装本(柄澤齊 巻頭画) 1986年 和歌山県立近代美術館蔵
大家利夫 ポオル・ヴアレリイ著『海邊の墓地』(清水洋子 挿画) 2004年 和歌山県立近代美術館蔵
大家利夫 ポオル・ヴアレリイ著『海邊の墓地』(清水洋子 挿画) 2004年 和歌山県立近代美術館蔵

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