「アペルト13 高橋治希 園林」金沢21世紀美術館

「アペルト13 高橋治希 園林」金沢21世紀美術館

名称:「アペルト13 高橋治希 園林」金沢21世紀美術館
開催期間:2020年12月19日(土) 〜2021年5月9日(日)
開館時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
会場:金沢21世紀美術館 長期インスタレーションルーム
休場日:月曜日(ただし2021年1月11日、5月3日は開場)、12月29日〜2021年1月1日、1月12日、5月6日
料金:無料
住所:〒920-8509石川県金沢市広坂1-2-1
TEL:076-220-2800
URL:金沢21世紀美術館
 人は「庭園」を巡るとき、何を思うのでしょうか。一人たたずむときも、親しい人と会話しながら楽しむときも、何かしら気持ちを切り替える場所として、庭園はあるのではないでしょうか。高橋治希(1971- )は、美術館の空間に庭園としての「園」を作り出します。一貫して、風景や自然をテーマにインスタレーション作品を制作してきた高橋が、社会に対して声高に叫ぶ作品ではなく、もっと個人的な作品との出会いを生み出したいと行き着いたのが「園林」でした。園林とは、中国の庭を総称する言葉です。園林は、人がゆっくりと巡り歩くにしたがって、さまざまな風景と出会う構造を持っています。一つひとつの風景に思想があり、人生のあらゆる場面が凝縮されています。自分自身の歩みによって、それぞれの人生が心に映し出され、人と宇宙がつながります。
 金沢21世紀美術館に作り出される園林には、水があり、山があり、光があり、闇があります。何種にも及ぶ野草は、私たちが共に生きている植物たちです。光を透過する白磁は、触れれば砕けてしまうもろさも持っていますが、大切に扱えばそのままの形で永遠に残り続けます。硬質さともろさを併せ持つ風景から、人生のはかなさや、消えてはまた巡る記憶の数々がより一層強く意識されるに違いありません。
 園林は、自然を素材としていますが、決して自然ではありません。複雑な思想を映し出し、見る人を想定しながら造形される「作品」です。高橋は、西洋の美術史の文脈から意識的に離れ、見る人それぞれの精神性を映し出す園林を展示空間に創造し、東洋的なインスタレーション作品の在り方の追究を試みます。 

関連記事

コメントは利用できません。

ページ上部へ戻る