名称:「さよならだけが人生だ -太宰治、林芙美子へ、井伏鱒二の言葉」三鷹市美術ギャラリー
会期:2023年8月29日(火)〜12月3日(日)
会場:三鷹市美術ギャラリー(太宰治展示室 三鷹の此の小さい家)
観覧料金:無料
休館日:月曜日(9月18日、10月9日は開館)、9月13日、9月14日、9月19日、9月20日、10月10日~10月12日、10月24日~10月27日
住所:〒181-0013東京都三鷹市下連雀3-35-1 CORAL5F
TEL:0422-79-0033
URL:三鷹市美術ギャラリー
太宰治(1909~1948)の依頼で『ヴィヨンの妻』初版の装幀・扉絵を手掛けた、「放浪記」で名高い作家 林芙美子(1903~1951)。太宰が中井の芙美子邸(現 新宿区林芙美子記念館)を訪れた日の出来事は、『太宰治との七年間』に堤重久が記している。また、昭和23(1948)年に発表した「眉山」では、知人の男性洋画家を「林芙美子先生」と紹介する場面がある。文壇の大先輩の名を、職業も性別も全く異なる設定で用いた大胆不敵な創作に、太宰独特のユーモアと、芙美子への親しみが感じられるだろう。
直接的な交流の機会こそ少なかった2人ですが、芙美子が慕った作家が井伏鱒二(1898~1993)で、太宰が肉親同様に世話になった師でもある。太宰は昭和5年から師事しているが、井伏と芙美子は既にそれ以前から交流を育んでいる。井伏は芙美子を旅に誘い、「旅人で 詩人で 傑作書きで」と親しみを込めて表している。
昭和23年6月に太宰が、その3年後に芙美子も急逝。その作家人生はまさに、芙美子が好んでよく認めた「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき」を体現するかのように、はかなきものであった。そして、芙美子との旅の道中に「さよならだけが人生だ」という訳詩を生んだ井伏は、数々の別離(さよなら)と向きあいながら、95年の天寿を全うした。
本年は林芙美子の生誕120年。井伏鱒二の言葉から、太宰と芙美子の交流を振り返る。
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