「Four Elements 2024 Winter」無人島プロダクション

名称:「Four Elements 2024 Winter」無人島プロダクション
会期:2024年1月27日(土)〜2024年2月25日(日)
会場:無人島プロダクション
開館時間:13:00 〜 19:00
   土曜日・日曜日は12:00〜18:00
休館日:月曜日、火曜日、祝日
入場料:無料
住所:〒130-0022 東京都墨田区江東橋5-10-5
TEL:03-6458-8225
URL:無人島プロダクション

無人島プロダクションでは、このたびグループ展「Four Elements 2024 Winter」を開催いたします。
世界は火風水土の四大元素で構成されているという古代ギリシャから発した概念を元に、それぞれの要素から想起されるイメージをもとに選んだ作品で構成する実験的な試みの展覧会です。
昨夏に開催した「Four Elements 2023 Summer」に続く第2弾となる本展は、荒木悠、臼井良平、加藤翼、小泉明郎、田口行弘、松田修の6名の作家による作品を展示します。新たな視点で作品を再発見するような体験を楽しんでいただけたらと思います。
「火」
火は荒木悠の映画作品《炉》(2019、16分47秒)を展示します。北海道釧路市の炉端焼き発祥とされる店を舞台に撮影された本作は、焼き手が幻想的ともいえるほどゆっくりと火を扱う映像を通して、アイヌ文化への言及や、現代社会における人間を取り巻く環境問題などを繊細に描き出しています。
「水」
水は加藤翼がアメリカ滞在中に制作した映像と写真で構成される作品《raft of______》(2016、3分39秒)を展示します。制作当時リビアから地中海を渡りヨーロッパを目指す難民に思いを馳せながら当事者ではない自分がどう向き合うのかを模索し制作した本作は、即席の筏(いかだ)で川に出て、力尽きた場所で筏に位置情報を発信するQRコードを掲げます。それはリンク先のGoogleマップ上で移動し続け、水の上を漂う筏と同様、行き着くところのわからない不安定さを感じさせます。海で犠牲になる難民がいる限り海上のどこかにその筏が示され続けます。
同じく水では松田修の「ループ(くり返し)」が象徴的な映像作品から初期の《ドリンク》(2008、9秒)と2018年に京都で行ったパフォーマンス《Living Message》のドキュメント映像も展示します。
人間が生きている限り永遠に続く「飲む」行為と「排泄する」行為の無限ループ、そして「しぶとい生」をテーマにしたパフォーマンスの2作をどうぞお楽しみください。
また火と水が共存する作品として、小泉明郎の2面ビデオインスタレーション《忘却の地にて》(2015、13分5秒)を展示いたします。記憶に障害のある男性が出演し、第二次世界大戦にまつわる証言を扱った本作は、芸術性と倫理性の両立を探求し続けた小泉がひとつの確信を得た作品でもあります。
「風」
風は臼井良平の初期の写真作品《空飛ぶござ》(2008)を展示します。不思議な浮遊感をはらんで宙に浮くござ。その軽やかでユーモラスな光景に、昨今のこの情勢の中で何を感じるか、ぜひ向かい合ってみてください。
「土」
土は田口行弘が2017年にニュージーランドの西オークランドに招待され現地で制作したストップモーションアニメーションの作品《Pokepoke》(2017、6分54秒)を展示します。Pokepoke(ポケポケ)はマオリ語で「捏ねる」と言う意味を持ち、レンガ製造や陶芸の盛んなこの土地で出会った粘土をさまざまな形に変化させながら人と人、人と自然のつながりを軽やかに表現しています。
北陸の地震や続く戦火と、心やすまらない年明けとなりましたが、人と人の心の距離が縮まるような展示空間で火風水土それぞれのエネルギーをぜひ体感してください。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「モダニストの『蝶』 詩人・安西冬衛と好太郎」mima 北海道立三岸好太郎美術館
  2. 「土が開いた現代 革新するやきもの」和歌山県立近代美術館
  3. 「キース・へリング展 アートをストリートへ」兵庫県立美術館
ページ上部へ戻る